概要
ADELTAから2020年にリリースされたPC向け昭和×ヒーロー×大怪獣R18BLG
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「怪獣」の血を飲んでしまった正太郎は「ヒーロー」になれたのか?日曜王道アクションストーリー終幕!
※注意※
『古書店街の橋姫』を制作した「ADELTA」から発売になった最新作「ウウウルトラC」の第一話プレイ終了後の感想になります。
主人公三人のうち、まずは一人目の主人公、正義とヒーローにあこがれる一般市民の「正太郎」ルートをプレイしました。怒涛の超展開にやや頭の整理が追いついていませんが、姿形はどうあれ、正太郎は間違いなくヒーローになったと思います。
正太郎ルートは「日曜王道アクションストーリー」ということでしたが、大切な人を守れない苦しみを味わったり、愛する人の秘密を知り心が揺らいだり、大切な人を傷つけた相手を憎んだり、自分の正体や置かれている状況を知り苦悩したり、愛する人のために持てる全てを使ってある相手と戦ったりと、正に「王道」の詰め合わせという感じでした。
特に、「怪獣」と「イカロス」に対する世間の反応にはすごく考えさせられました。「怪獣」は基本的に人間を襲う危険な存在として「イカロス」に倒されます。人間を守ってくれる「イカロス」は当然世間の「ヒーロー」です。しかし、「怪獣」はもともとも人間であった人がある日突然なってしまうもので、「怪獣」や「怪獣」の家族からすると「イカロス」は憎むべき存在です。どちらの立場も大切なものや守るもののために戦っているとしたら、どちらが正しく・どちらが悪いのか。その答えは人それぞれでしょうが、世間がさんざん「ヒーロー」ともてはやした「イカロス」の行いを、手のひらを返したように非難する描写は、苦々しさを覚えつつも、考えさせられるものでした。
プレイ前の登場キャラクター紹介で気になっていたキャラクターの一人あった「小林」、サブキャラクターながら大変良い味を出していました。小林は正太郎の元親友で正太郎の恋人・狐塚と同じ名前ということで、狐塚の小林に対する嫉妬イベントは予想通りありました。予想より多く驚いたぐらいですが、コミカルにもシリアスにも取り入れられており、正太郎と狐塚の仲をより深める良い存在だったと思います。
こういう三角関係のサブキャラクターは、主人公と結ばれず見ている方が切ない気持ちになったり、時には主人公とその相手の仲を裂くイヤなやつと思われたりすることもあるかと思います。しかし、小林は身勝手なところもありつつも、彼自身の家族も正太郎も大切に思っていること、正太郎の幸せを心から願っていることが伝わってきたため、彼もまた愛すべきキャラクターだと思えました。
他にも個性的なサブキャラクターが多数登場しますが、どのキャラクターもダメなところやおかしなところもありつつも、とても魅力的でした。ロボコの中身を知ることになったのは驚きでしたが!
選択肢は一切なく一本道でしたが、次々と物語が展開していき、飽きることなくあっという間にプレイしてしまいました。初回プレイは必ず正太郎の第一話からスタートでしたが、正太郎の第一話終了後は、他の二人の主人公、ヒーローと怪獣双方を憎む「史郎」の第二話、太陽仮面イカロスを演じる俳優「十郎」の第三話のどちらから始めるか、選択することができるようです。
正太郎のルートで他の二人の主人公「史郎」と「十郎」、そしてその恋人・恋愛対象役である「一色」や「夜美」も登場し、彼らの正体もほぼ判明します。まったく予想もしていなかった正体に驚くこともありましたが、一方で物語を進めていく中で察しがついたり推測できたりした部分もありました。いずれにしても、彼らがそれぞれ「なぜその様なことをしたのか」、「その時どんなことを考え、どんな気持ちだったのか」は非常に気になるところで、「史郎」と「十郎」のルート、どちらからプレイしようかとても迷いますが、プレイするのがとても楽しみです!