概要

KIDから2005年にリリースされたPS2向けゴシックロマンスアドベンチャーゲーム

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九艘と一謡、二つの一族が対立する独特な世界観

主人公である白石陽菜(※名前変更不可)は、両親の海外転勤をきっかけに、昔6歳まで住んでいた「尚和町」の高校「尚和高校」に進学し、寮生活を開始することになります。

入学式の日、陽菜は幼いころに仲良くしていた友人と再会し、喜びを分かち合います。しかしその喜びも束の間、突然誰かに階段から突き落とされそうになります。この日を境に、犬に襲われたり、誰かに操られた友人に刃物で襲われたりと、何者かに命を狙われるようになります。なぜ命を狙われているのか、自分の身の回りで何が起こっているのか、真相をつきとめるため、陽菜は様々な人と会って情報を集めることになります。

本作の大きな魅力の1つは、独特な世界観にあります。

本作には、九艘(くそう)と一謡(いちよう)という二つの一族が登場します。どちらも八尾比丘尼を始祖とする一族ですが、長きにわたり争いを続けています。九艘は治癒の力を持ち、寿命以外では死ぬことはなく、純血であれば300~400年近く生きる長寿な一族です。これに対して一謡は、治癒の力を持ちませんが、水断刀(すいだんとう)という刀を保有しています。水断刀は数本しか現存せず、ハンターと呼ばれるその使い手も限られていますが、九艘に治癒の力が働かない傷を負わせることができます。

一見、一謡のハンターは一方的に九艘を狩れるように思えますが、九艘の命を狙う際は一謡のハンターも命を懸けることになります。九艘も一謡も一人ひとつ能力を持っており、例えば風を操って攻撃する「颶風の力」(ぐふうのちから)や風でバリアーを作る「神凪の力」(かんなぎのちから)の様な、戦闘に向いた能力を持つ者がいるためです。一謡の持つ水断刀で命の危険があったり、長寿でそもそも人間社会に馴染むことが難しい九艘の多くは隠れ郷で暮らしており、隠れ郷の外で暮らす九艘はこの様な戦闘に向いた能力を持つ者が多いため、一謡のハンターも簡単には手出しできません。

陽菜は過去のある事件がきっかけで、二つの対立する一族の争いに巻き込まれていくことになります。

主な攻略キャラクターは7名おり、二つの一族のどちらかに属するかどちらにも属さないかで分かれています。九艘側は、冷静沈着な尚和高校の教師・桐原貴人(声:井上和彦)、ぶっきらぼうな先輩・桐原拓哉(声:子安武人)の兄弟2名です。一謡側には、一謡の次期当主である・加々良愁一(声:森田成一)、愁一の護衛役・明月圭(声:遠近孝一)、陽菜を狙う・片瀬哲生(声:檜山修之)の3名が登場します。残る2名、幼馴染の新野憲吾(声:鈴村健一)と憲吾のバイト先の先輩で八尾比丘尼の伝承を調べている大学生・手塚京輔(声:谷山紀章)は、どちらの一族にも属していません。

真相を追って様々な人と接する中で、それぞれの一族の事情や自分が何者なのかを知り、誰を信じるかを決めていくことになります。

独特の世界観が非常に奥深く魅力的な作品です。伝承や伝奇ものがお好きな方は、是非プレイしてみてください!