概要

コーエー(現:コーエーテクモゲームス)から2004年にリリースされたPS2向け恋愛アドベンチャーゲーム
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自ら剣を持って闘い、「時空を超える力」を使って運命を変えよう!

ある雨が降る冬の日。学校で風変わりな姿の少年と出会った主人公・春日望美は、その場に偶然居合わせた幼馴染の同級生・有川将臣とその弟・有川譲と共に異世界へと飛ばされてしまいます。飛ばされた先は源平合戦の真っ只中の平安時代末期によく似た世界。しかし、この世界での平家は既に死んだはずの平重盛が率いており、源氏との戦に勝つために怨霊を使役していました。

源氏軍に保護された主人公は、自分が怨霊を封印する力を持つ「白龍の神子」であり、怨霊を封印して龍神の力を高めなければ元の世界へは帰れないと知らされます。主人公は源氏軍と共に行動し、神子を守るために龍神に選ばれた「八葉」と呼ばれる仲間と出会い、共に戦っていく中で、仲間たちとの絆を深めていきます。

しかし激しい戦闘やそれぞれの思惑が渦巻く中、大切な仲間や愛する人を失う運命をたどることも…。悲しみと苦しみの中で「時空を越える力」を得た主人公は、時空を超えて過去へと遡り、運命を変えて仲間や愛する人を助けるために闘うことを決意します。

攻略キャラクターは、幼馴染で星の一族の末裔である有川将臣(声:三木眞一郎)と有川譲(声:中原茂)、源氏側からは源九郎義経(声:関智一)と武蔵坊弁慶(声:宮田幸季)、梶原景時(声:井上和彦)、平清盛の甥の平敦盛(声:保志総一朗)、武蔵坊弁慶の甥で平敦盛の幼馴染でもあるヒノエ(声:高橋直純)、鬼の一族で九郎と主人公の剣の師匠であるリズヴァーン (声:石田彰)、主人公を白龍の神子に選んだ白龍(声:大谷育江、置鮎龍太郎)、景時の妹で主人公の対となる黒龍の神子・梶原朔(声:桑島法子)の総勢10名と、非常にゴージャスです。この他にも、平清盛を筆頭とする平家一門、源頼朝とその妻・北条政子、後白河法皇など、源平合戦に縁のある人物が大勢登場します。

本作の魅力の1つは主人公です。筆者は「遙かなる時空の中で」シリーズは一通りプレイしているのですが、一番好きな主人公がこの「遙かなる時空の中で3」の主人公です。シリーズで初めて自ら剣を持って闘う主人公として登場し、神子として守られるだけをよしとせず、大切な人を自らの手で守ろうとする、その凛とした姿勢に非常に憧れを覚えました。本作以降、主人公が武器を持って闘うことは普通になりましたが、やはりその原点とも言える「3」の主人公のインパクトは非常に強いです。また、闘う勇ましさに目がいきがちですが、明るく朗らかで、努力家でもあり、他者へ対する思い遣りや慈しみの心もあり、逆境にもくじけない芯の強さもある、正に正統派な主人公という感じで、とても好感が持てる人柄です。

本作の特徴の1つに、主人公が「時空を超える力」を使って過去へ遡り、「運命を変える」ことができることにあります。これにより、大切な仲間や愛する人の悲しい運命を変えていくことができます。この逆境へ抗い望む未来を掴みとるための闘いは、とても胸が熱くなります。ただ、プレイしていた当時はあまり感じていなかったことですが、主人公が自分の大切な人のために龍神の力を使って「運命を変える」ということは、主人公が「運命を変えた」ことで悲しい運命を辿ることになった側の人間はどうなるのかと、少し気なるようになりました。そういった悲しみも含めて、それでも「運命を変える」決断をしている意志の強さが主人公にはあるということなのかもしれません。

「十六夜記」や「運命の迷宮」などのファンディスクや愛蔵版など、様々な形で愛され続けている本作は、乙女ゲーム好きの方ならばプレイして損はないかと思います!特に歴史好きの方、逆境にもくじけず運命と闘う勇ましく凛とした主人公がお好きな方は是非プレイしてみてください!