概要
冬のいもうとから2010年にリリースされたPC向けインモラルホラーBLノベルゲーム
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自らに流れる血の意味を知った時、主人公はどの様な決断をくだすのか?
主人公「蘇芳(すおう、名前変更不可)」は普通の男子高校生ですが、唯一の肉親である母を病で亡くします。天涯孤独となった蘇芳は、叔父を頼って「茂狩村(もがりむら)」に移り住むことになります。
茂狩村は茂狩山にかかえられるように存在する村で、村の名前の元にもなっている茂狩山には、かつて鬼が住み着き人々を蹂躙したという伝説がありました。蘇芳の母は幼い蘇芳を女手一つで育ててくれた剛毅な人物でしたが、その母が幼い蘇芳を連れて逃げ出した土地でもありました。そして母は幼い頃から何度も蘇芳に繰り返していました。「何があっても絶対に茂狩村に帰っちゃいけない」—————と。
蘇芳は母が忌避していた土地へ行くことに不安もありましたが、母を亡くし他に頼れる人もいない窮状に差し伸べられた叔父からの援助の手をとるほかありませんでした。
「茂狩村」。そこは茂狩山の麓にある村で、目を閉じて深呼吸をすれば濃い緑と豊かな土地の匂いがし、瞼に暖かい日の光が差し込む、圧倒的大自然の中に存在する村でした。母の忠告からおどろおどろしい場所を想像していた蘇芳は、美しい大自然が広がる景色に少し拍子抜けしていましたが、茂狩山から吹く一陣の風は不気味な恐れと言いようのない嫌悪感を感じさせるものでした。
迎えてくれた父の弟である叔父・大江尊也(おおえ たかや)は、父の腹違いの弟でとても若く、既に亡き実父に代わり村の名士である大江家の当主を務めていました。面識もない、しかも異母兄の息子を引き取ったことに疑問を感じていた蘇芳に対し、尊也は「対面もあり、当主の務めを果たすために引き取った」と冷たく言い放ちます。叔父の冷淡な対応に望まれて引き取られたわけではないことを突きつけられ傷つき、気難し気な叔父とひとつ屋根の下で暮らすことへの不安を抱えながらも、蘇芳は生活の心配がなくなっただけありがたいと思わなければと自分に言い聞かせます。
転入した茂狩高校で、蘇芳はクラスメイトの浦戸悦史(うらど えつし)と出会い、友人となります。悦史は見目麗しく頭脳明晰で、転入生でよそ者である蘇芳に親切にしてくれる心優しい優等生でした。ある日悦史の家へと遊びに行った蘇芳は、茂狩村は大江家と浦戸家が二分して支配しており、両家には長年にわたる確執があること、そして悦史が浦戸家の若き当主であることを知ります。悦史は浦戸家の跡取りという立場から大江と浦戸のどちらに属する者からも遠巻きにされており、友人がいませんでした。そんなしがらみのない蘇芳だからこそ友人になりたいと願ったと話す悦史に驚きつつ、蘇芳は悦史との友情を新たにします。
気難しい叔父と心優しい友人との新しい生活に徐々に慣れ始める蘇芳でしたが、日常に徐々に違和感やおかしな影が混ざり込み始めます。父の不審な死、茂狩山を中心に頻発している失踪事件、大江屋と浦戸衆の確執…。そして自らに流れる血の意味を知り、蘇芳は茂狩村の因縁と闘っていくことになります。
メイン攻略キャラクターは、気難しい叔父の「大江尊也」と心優しい友人の「浦戸悦史」の二人です。二人のルートはそれぞれ展開が全く異なりますので、どちらも先が読めずドキドキハラハラを楽しめます。また、ストーリーを重ねてキャラクターとの絆を深めそれぞれの本質に触れていくことで、最初に出会った時やもう一方のルートで見ていた時とはキャラクターの印象がガラッと変わり、それぞれの魅力を感じられるようになっています。更に、日常に笑いと癒しを添えてくれるナイスで可愛いメイドガイさんとのお話もあります。
流血や暴力的な表現もありショッキングな演出も含まれますが、古くから伝わる伝承と人間の本性、愛憎が絡み合うスリルとミステリー満点なストーリーを堪能し、「糖衣」が示すものをその目で確かめてください!