※ネタバレ注意※「パラレルぱにっく」の鳴海ルートの感想になります。

面識もない主人公・朝日(あさひ)をなぜか突如として退学のピンチに陥れた転校生、「桐谷鳴海(きりたに なるみ)」のルートについて紹介していきたいと思います。

鳴海は物語冒頭で昼寝をする朝日の目の前に突如現れ、朝日にタバコを押し付けていきます。そこに生徒会の人間が現れ、朝日がタバコを持っていることを見咎められるという第一印象最悪な登場を果たします。この際鳴海は、「…お前。覚えてないのか・・・?」と過去に面識があることを仄めかす意味深な発言と辛そうな様子を残しています。

鳴海のせいで朝日は突如退学のピンチになり、退学を回避するため慈善活動を行うことになります。そしてピンチに陥れた鳴海がなぜか朝日の慈善活動の助っ人に…。鳴海は学園の特待生になれる程の秀才で、朝日より周囲の覚えが良いようです。

朝日が鳴海を忘れてしまっているにしても、なかなかに最低最悪な登場です!普通なら絶対許さないところだと思いますが、そこで鳴海の辛そうな哀しそうな様子を気にする朝日はお人好しというかなんと言うか、ほんとに良い子です。

慈善活動を一緒にこなしたりお休みに遊んだりと時間を重ねる中で、鳴海と朝日はお互いのことを知り、徐々に打ち解けていきます。鳴海は無口でクールで不愛想ですが、晴れて退学免除が決まるまで慈善活動に協力してくれたり、普通に冗談を言い合って笑いあえたり、落ち込んでいる時は励ましてくれたりと、悪い人間ではないことが見えてきます。それだけに朝日を退学の危機に陥れた理由がより気になるところです。余談ですが、慈善活動の学園祭演劇のお手伝いでの恋愛ゲームあるある(?)の”事故チューイベント”は必見です!

ある日朝日は、鳴海が幼い頃に大事な人と交わした「また会う」という約束を果たすために、転校してバイトを掛け持ちしながらなんとか一人暮らしをしていることを知ります。プレイヤー目線では「それ、絶対朝日だよ!」と思うところですが、朝日は自分に対する好意に鈍いこともあり(恋愛ゲームの主人公あるあるですね)、鳴海の大事な人に嫉妬してしまいます。超かわいいですが、モダモダしますね!

実のところ、朝日は幼い頃に「なるちゃん」という可愛い女の子と結婚の約束を交わしたことは覚えており、写真も持っていたようですが、女の子だと思っていたこともあってか「なるちゃん」=「鳴海」という風に繋がらなかったようです。なので正確には、鳴海との約束を忘れていたのではなく、鳴海が約束の相手だと分からなかったようです。

一途に「なるちゃん」を想ってきたこともあって、鳴海を好きだと言うことに少しためらいを覚える朝日ですが、最終的には自分の気持ちに正直になり鳴海と想いを確かめ合います。その後すぐに朝日も「なるちゃん」=「鳴海」であることに気づくことになるのですが、朝日が忘れていないことを察しながらも朝日が自分で気づくまで言わないでいた鳴海の様子には、悔しくてちょっと意地悪しているのかなとニヤニヤしてしまいました。

朝日も無事に気づき、晴れて本当の意味での両想いハッピーエンドを迎えますが、気になるのは鳴海の冒頭の行動です。鳴海が朝日にタバコを押し付けたのは、自分を覚えていなかった朝日を多少懲らしめようという想いかららしいのですが、方法が過激すぎませんか⁉生徒会に見つかったのは不幸な偶然だったようですが…。鳴海はすぐに朝日に気づいたようなので気づいてもらえないショックもあったとは思いますが、下手すると嫌われるでは済まない過激な鳴海に少々戦慄を覚えます。

とにもかくにも、めでたくハッピーエンドを迎えた二人。やはり幼い頃の約束が果たされたり、ずっと一途に想っている人が報われるというのはとっても良かったです!鳴海はこのゲームで唯一攻守が選べる攻略キャラクターでもあるので、そこも美味しかったです。幼馴染や一途なお話がお好きな方は是非プレイしてみてください!