大正時代を舞台に、個性豊かな男性キャラクターたちに囲まれながら友人の死の謎を追うミステリー作品『古書店街の橋姫』

練りこまれたストーリーと個性的なキャラクター

主人公は大正時代の梅雨の神保町で、友人の死をきっかけにタイムループに陥ります。友人の死を止めるため、真実に辿りつくため、時間跳躍を繰り返し、目をそらしていたものや知りたくなかったことを突き付けられ、いたたまれなさや苦しさの中で奔走していくことになります。

本作に登場するキャラクターは、それぞれ癖があって個性が強いのですが、とても魅力的です！

主人公の玉森は、見栄っ張りでヘタレで、攻略対象との恋愛に発展しそうな色気が一見全く感じられないのですが、物語を進めていくうちに不器用な優しさや芯の強さ、得も言われぬ可愛らしさが見えてきます。

攻略対象は、水上、川瀬、花澤、博士、能面の男の5人です。玉森を優しく見守る優しく一途な幼馴染の水上、水上と同じく玉森の幼馴染ながら毒舌・ドS・イケメン・ツンデレと設定盛り盛りな川瀬、大きな野望を抱く無骨な兄貴分である花澤、変態的に玉森を愛する天才科学者の氷川、物語の謎を解き明かすキーマンである能面の男。

一途な幼馴染に弱い私の推しは水上ですが、どのキャラクターもそれぞれの信念や愛し方を知った時、胸キュン間違いなしです！

攻略はおおむね一本道で各キャラクターEDも1つずつ、選択肢もあまりないため、ゲームに不慣れな人でもとっつきやすい作品です。ストーリーは一本道ですが、シナリオライターのくろさわ凛子氏によって練りこまれており、飽きるどころか先が気になって時間を忘れて進めていってしまいました。